肩こり

肩こり



肩こりは特にお悩みの多い疾患のひとつです

老若男女問わず、身体のお悩みとして非常に多い”肩こり”。

  

当院でも来院・相談理由の上位に入る疾患である肩こりですが、あなたも悩んでいませんか?

肩こりは、悪い姿勢極度の緊張・ストレスなどによって、僧帽筋まわりといった肩や首まわりの筋肉が疲労し、血液の循環が悪くなることで発症します。

筋肉中に老廃物が溜まり、肩や首の痛み、張り、だるさなどの症状が現れるのです。さらに放置しておくと、血管や神経が圧迫され、しびれや頭痛といった症状まで引き起こしてしまいます。

肩こりで悩む人のイメージ画像

肩こりにもさまざまな原因や理由、改善方法があります。

それらを知り正しく理解し、必要に応じて治療を受けて肩こりを解消しましょう。


肩こりが生じる主な原因

肩こり① 筋肉・骨・関節にまつわるもの

首と肩のまわりの筋肉に緊張状態が続くと、筋肉に疲労物質が溜まって硬くなります。

それによって血管を圧迫して血行が悪化したり、末梢神経を傷つけて、こりや傷みを起こします。

また、血行不良に陥ると、筋肉に十分な栄養や酸素が供給されず、筋肉に疲労がたまって、ますます筋肉が硬くなってしまいます。

  • デスクワークなどで長時間同じ姿勢が続く・悪い姿勢が続く(ストレートネック)
  • 猫背や歪んだ姿勢など、体が偏った状態が続く
  • 重い荷物をいつも同じ方の肩にかける
  • 冷房環境で長く過ごしたり、シャワーのみの生活で体が冷えている
  • 日常的に運動不足である
  • 枕の高さが合っていないと感じる

といったことが、肩こりを発生させやすい大きな原因となります。

その他、加齢が原因となる「頸部脊椎症」や「五十肩(肩関節周囲炎)」からくる肩こりの場合もあります。

肩こり② 神経・ストレスにまつわるもの

人間はストレスがかかると自律神経が乱れやすくなります。精神的なストレスが増えると、無意識化で自律神経が乱れ、活動を司る交感神経が優位に働き、血管を収縮させてしまいます

結果、筋肉が疲労から回復できず血行不良を招き、肩こりが発症します。


環境や性格が原因となって肩こりを引き起こす場合もあります。

周囲の環境が急に変わったりなどして緊張した状態が続くと、慣れるまで筋肉も緊張が続き、肩こりになりやすい状態となります。


また、責任感が強い・努力家・こだわりが強いといった性格の方は、自ら無意識にストレスを増幅させてしまっているケースがあり、ひどい肩こりに悩む方も多いようです。

自分自身を追い詰めて緊張状態が続いていないか確認したり、意識的にリラックスした状態をつくるよう心がけることもおすすめです。

肩こり③ 病気にまつわるもの(二次性肩こり)

上記に挙げた、病気が原因でない肩こりは「本態性肩こり」といいます。その逆に、病気の症状の一つとして現れるのが「二次性肩こり」です。


二次性肩こりの原因となる病気として、首のヘルニアや首のじん帯骨化症、化のう性脊椎炎などの感染症、更年期障害、変形性頚椎症や四十肩、五十肩、噛み合わせの異常や歯のくいしばり、眼精疲労や目の病気(眼瞼下垂)などさまざまあります。

単なる肩こりだと思ったら、実は乳がんや肺がんの腫瘍からくる痛みであったというケースも存在します。

その他、頭痛も肩こりと密接に関連しており、緊張型頭痛や片頭痛の発作からくる肩こりは、頭痛の治療を行うことで解消される場合があります。

      肩こりと頭痛の関連イメージ画像

二次性肩こりチェックリスト

  • 肩を動かすと、こりや痛みが強くなる
  • 手足にしびれを感じることがある
  • 就寝中や安静にしている間も痛い
  • 何をしても肩こりが悪化する一方である
  • 微熱が続いている
  • がんの既往歴がある
  • 貧血、低血圧、高血圧、狭心症、心筋梗塞、胃潰瘍などの疑いがある

このような状態の肩こりは、大元の病気がなくならない限り解消しません。

運動やストレッチでは改善しないどころか、悪化することもあります。

上記のような自覚症状がある場合や、肩こりが酷くなっている…などと感じたら、医療機関を受診することをおすすめします、


肩こりを予防・改善しよう!

  • ストレッチを行う
  • 肩や首の筋肉は日常的に使われるわけではないので、意識して動かすことが大切です。ストレッチをして筋肉をほぐすことで、肩こりを予防・改善しましょう。

  • 適度な運動をする
  • 運動することにより血流がよくなり、肩こりの改善につながります。

    また、筋肉は動かすことによって柔軟性が向上します。肩の筋肉も柔らかくなり、肩こり予防にも効果的です。運動は健康維持にも良いことですので、ぜひ少しずつ日常に取り入れてみてください。

         
肩こりマッサージ
  • 正しい姿勢を意識する
  • 猫背や首が前に出る姿勢は、肩や首の筋肉に負担となります。日常的に正しい姿勢を保つことを意識し、肩や首の負担を軽減しましょう。

    スマホやPCの普及とともに「ストレートネック」という、首の骨が本来のカーブを失い真っ直ぐになった状態も問題視されるようになっています。日頃から、スマホを見る際にまっすぐ姿勢を正したり、デスクワーク中は骨盤を立てて座ることを意識してみましょう。デスクワーク中に肩や首を回したり、席を立って体を伸ばすのも効果的です。

  • 入浴で体を温める
  • 体が温まると血行が良くなり、筋肉の緊張もほぐれます。肩こりを改善・予防するために、毎日シャワーで済ませず温かいお風呂に肩まで入るようにしましょう。

    暑すぎるお風呂は、脳への刺激でリラックスできなくなってしまうため、お湯の温度は40℃程度で、10~20分程度ゆったりと浸かるのがベストです。

    また、人体は入浴後に深部温度がだんだんと下がっていくことにより自然な眠気を導きます。良質な睡眠と心身の疲労回復のためにも、お風呂は就寝1時間前には済ませましょう

  • 鍼灸治療を利用する
  • 上記の日常改善でももちろん肩こりにプラスをもたらしますが、鍼灸治療は血行促進/筋肉の緊張緩和/自律神経の調整(リラックス)などを一度で行うことができる、画期的な方法です。

    当院の鍼・お灸は、ほとんどの方で痛みや熱さが気にならない手技を行っており、個人によっても調整可能ですので、肩こりでお悩みの方にぜひ一度試していただきたいと思います。


たった1回でも肩こりに効果を感じる! 鍼灸治療

WHOが定める、世界的に認められた治療法

WHO(世界保健機構)は、肩こりに対し鍼灸治療の適応を認めています。

他にも運動系疾患では、五十肩/むち打ち症/頸肩腕症候群/腰痛症/ギックリ腰/椎間板ヘルニア/変形性膝関節症/関節炎/リウマチ/寝ちがい/筋肉痛/捻挫/テニス肘/腱鞘炎などの疾患が適応と定めています。

このことからも、安心して選択いただける治療法であるのが、鍼灸です。

肩こりを鍼灸治療で改善するイメージ

肩こりと、鍼灸治療のメカニズム

鍼は東洋医学による治療法で、投薬が症状を抑える治療であるのに対して、体の不調を改善するツボに直接アプローチができる治療です。

肩こりの場合は、肩こりの改善に効果的であるツボを鍼で刺激することで、ツボのまわりやそこからつながっている筋肉の緊張を緩和し、肩こりを治療していきます。


鍼は何層にも重なっている肩まわりの筋肉の奥の方にも作用するので、施術後も効果が持続するのが大きなメリットです。

一方で、肩こり解消法としてよく選択されるマッサージは、緊張した筋肉を揉みほぐして一時的に柔らかくしているだけであり、根本的な治療とはなっていないのが実情です。

施術中はとても気持ちいいのですが、あくまでその場限りの改善に。またマッサージでアプローチできる筋肉は表面に近い層までなので、深いところの筋肉が凝り固まっている場合は対処が不可能なのです。


肩こりのピンポイントだけでなく、ひとりひとりの全身の健康状態に合ったオーダーメイドの治療をできることも鍼灸のメリット。ぜひ一度、お試しください。