頭痛

頭痛の悩みとつらさ


あなたの頭痛はどのタイプ? 症状や原因、対処法も違う頭痛

頭痛は、当院でもお悩みの方が多い症状ですので、知識として少しでもお役に立てばと思い、解説していきます。


「頭痛」と一口に言っても、その内容は多岐にわたります。

頭痛はまず大きく2つに分けられ、さらにその中にも種類があります。

一次性頭痛

機能性頭痛慢性頭痛とも呼ばれる、特に明確な病気があるわけではないのに繰り返し起こる頭痛

二次性頭痛

二次性頭痛:病気が原因であらわれる頭痛

日常的によくみられる、頭痛のほとんどが①のいわゆる『慢性頭痛』です。


一時性頭痛=慢性頭痛にもさらに種類が! 代表的なものは3つ

●緊張性頭痛
●片頭痛(偏頭痛)
●群発頭痛

頭痛持ちの方はどれも耳にしたことがあるかもしれません。

メカニズムから全く違うそれぞれの頭痛について、違いや予防、対処法などを正しく知っていきましょう。

頭痛イメージ
 

頭痛タイプ別! 特徴&予防チェックリスト

 

頭痛の種類ごとにまとめてみました。どれに多く当てはまるか、何が予防になるかチェックしてみてください。

※あくまで簡易的・一般的な症状ですので、正確な診断については専門の医療機関にご相談ください。

                                                                                               
緊張性頭痛 片頭痛 群発頭痛
どこが痛む? 頭の両側、または頭全体 約7割で頭の片側。こめかみ〜目のあたり 頭の片側の目の奥
どのように痛む? 締め付けられるような痛み ズキンズキンと脈打つような痛み 目の奥をえぐられるような強い痛み
痛みの強さは? 比較的軽い〜中程度 中程度〜かなり強い 非常に強い
痛みの持続時間は? 30分から7日程度まで幅広い 4〜72時間、不規則 15分〜3時間と比較的短時間、明け方に多い
発症の周期は? ほぼ毎日〜週に数回など 数日から月1回程度、発作的/不規則に起こる 1〜2ヶ月間の間に集中して毎日。毎年〜数年に一度繰り返す
動くと痛い? 動いても変化なし 動くと痛い 痛みでじっとしていられない
頭痛以外の症状は? 肩や首のこり、めまい、吐き気 吐き気・嘔吐、光や音に敏感になる、発症前に目の前がチカチカすることも 涙が出る、目の充血、鼻水、鼻詰まり
頭痛の前触れは? 特になし ギザギザした光が見える、視界の半分が見えづらくなる 特になし
頭痛のきっかけは? 眼精疲労、長時間の同じ姿・デスクワーク、精神的ストレスなど 人混み、月経、睡眠不足/過眠、ほっとした時(多忙からの解放) アルコール
患者数(出典:NHK健康ch) 840万人 2,000万人 12万人
緊張型頭痛と、片頭痛が併発する、合併型頭痛もあります。

緊張性頭痛

精神的ストレスや、眼精疲労などの身体的ストレスによって、頭部や頭蓋骨周辺の筋肉にある筋肉が過度に緊張・収縮して痛みを起こします。

頭全体がギューッと締め付けられるように痛むのが特徴です。

血行をよくしたりリラックスすることが、予防につながります。

     

対処法:筋肉の血行をよくする

  • お風呂に浸かって体を温める
  • ストレッチで首や肩を動かす
  • 肩や首に蒸しタオルなどを当てて温める
     

予防:ストレスを解消する

  • ストレスの要因を取り除く
  • 発散できるような趣味や時間を持つ

予防:血行を改善する

  • 入浴やマッサージ、ストレッチなどを活用する
  • 適度な運動を生活に取り入れる
  • 長時間の同じ姿勢を避ける(こまめに休憩を取る、背筋を伸ばすなど)
ストレッチでストレス発散イメージ

片頭痛

何らかの理由により脳の血管が急激に拡張し、周囲の三叉神経を刺激して、その刺激で発生する炎症物質がさらに血管を拡張するというメカニズムで起きるのが片頭痛です。

自律神経や女性ホルモン、月経とも関連があり、20〜40代の女性に比較的多いといわれています。

心身ストレスから解放された時に急に血管が拡張する場合があるため、仕事がない週末などに起こる場合もあります。

 

対処法:血管の拡張を抑える

  • 暗い、静かな場所で横になる
  • 片頭痛は光や音、動くことによって痛みが増すため。

  • 冷やしたり押さえたりする
  • 痛む場所を冷やしたり圧迫したりすることで、周囲の血管が収縮するため。

  • ゆっくりと睡眠をとる
  • カフェインの入った飲料を摂る
  • カフェインには血管を収縮させるはたらきがあるため、痛みはじめであればコーヒーや緑茶などの飲料で緩和できることがあります。

予防:生活習慣を改善する

  • 規則正しい生活を心がける
  • 寝不足や過眠に注意する

予防:食事は規則正しく摂る

血糖値が低下すると脳の血管が萎縮し、片頭痛を起こしやすくなります。

  • きちんと食事を摂り、空腹により低血糖にならないようにする

予防:頭痛の原因をなるべく排除する

  • 音、光、匂い、特定の飲食物、気圧の変化など、自らの頭痛の原因となるものを避ける

群発頭痛

1年のうち決まった時期、毎日決まった時間帯(明け方が多い)に発症します。

目をえぐられるような激しい痛みが起こり、じっとしていられないほどです。

血管が拡張することで頭痛が起こるとされているため、原因となる要素をできるだけ避けることが重要です。

  

対処法:群発頭痛は専門家への相談を

群発頭痛の発作時は市販の頭痛薬では対処しきれない激しい痛みであるため、専門家へのご相談をおすすめします。

     

予防:頭痛の原因を生活から取り除く

  • 飲酒・アルコール
  • 喫煙
  • 入浴
  • 薬剤
  • 高山への登山
  • 飛行機への搭乗  など、人により原因は異なります

群発期間中の飲酒と喫煙は禁忌です

期間中は禁酒を守り、喫煙も控えてください。

頭痛イメージ

⚠️こんな頭痛はすぐに受診を!

頭痛の中には、脳などの重大な病気のサインである場合もあります(これらが二次性頭痛です)。

以下のような頭痛は危険な場合があるため、救急相談や早急な医療機関の受診をおすすめします。

     

突然発症する激しい頭痛

経験したことがないほどの強い頭痛が突然起こったら、ただちに救急車を呼びましょう。くも膜下出血である場合があります。

徐々に強くなる頭痛

だんだん痛みが強くなる頭痛や、早朝から朝方にかけての頭痛は、脳腫瘍の症状である場合があります。

    

発熱と併発する強い頭痛

発熱を伴う頭痛は風邪症状でもありますが、激しい痛みの場合、脳を覆う髄膜に炎症が起こる髄膜炎のことがあります。

 

手足のまひ、めまい、ぼけ等の随伴症状のある頭痛

歩行障害、言語障害、手足のまひ、めまいなどを伴う頭痛の場合、脳腫瘍、脳血管障害の可能性があります。頭痛が軽度であっても、脳神経外科や神経内科などの専門医受診をおすすめします。

ぼけを伴う頭痛の場合は、慢性硬膜下血腫が疑われます。これは転倒等による頭部打撲で頭蓋骨内側に血の固まりができてしまい、それが大きくなって脳を圧迫するものです。打撲直後に検査で異常がなくても、数ヶ月経って忘れた頃に、手足のまひ等を伴って症状が現れることがあります。

薬の使い過ぎによる頭痛も120~240万人!

最近では、薬の使い過ぎで慢性頭痛を引き起こすことも知られてきています。

この頭痛に悩む人の8割程が、もともと片頭痛持ちの人と言われています。片頭痛は女性に多いので、薬の使い過ぎによる頭痛も、患者数の約7割が女性と言われています。

また、片頭痛や緊張型頭痛のある人が、仕事を休めないなどの事情で、自己判断・日常的に頭痛薬を服用しているうちに、薬の使い過ぎによる頭痛を発症してしまうことも多いです。

頭痛外来などで行われている指導として、頭痛薬の服用が1か月に10日以上にならないようにという目安があります。

頭痛服薬イメージ

痛みを我慢するのは辛いものがありますが、頭痛が増えてしまっては元も子もありません。

心当たりがある方は、自己判断での服薬を少し減らせるよう意識してみてください。


鍼灸治療の頭痛に対する有効性と、当院の治療

鍼灸の頭痛治療におけるメリットとは?

鍼灸治療は、日本頭痛学会のガイドラインで、非薬物療法のひとつとして推奨されている治療法です。

研究では、鍼灸治療群を無治療群などと比較した結果、頭痛日数減少とQOL(生活の質)の向上が有意に認められています。

鍼灸治療のメリットは、頭痛薬があまり効かない方や、頭痛薬をあまり使いたくない(妊婦さんや授乳婦さんなど)という方にも効果が期待できるということ、また頭痛薬が効く方でも、服用回数を減らせるということです。

さらに、先にも述べた<薬の使い過ぎによる頭痛>で悩み、でも痛みが我慢しきれず服用してしまう…という方も実際に多くいらっしゃる中、頭痛薬の力を借りずに頭痛を治していける治療法として、とても喜ばれています。

鍼灸治療で頭痛が起こりにくくなるだけでなく、肩こりや眼精疲労の解消、睡眠の質が向上し疲労回復につながるなど、頭痛薬にはないうれしい効果もあります。

なぜ当院の鍼灸が頭痛に効くのか?

鍼灸は、肩こりや眼精疲労、自律神経やホルモンバランスの乱れ、心身のストレス、血行不良などといった頭痛の原因を、神経やツボに直接刺激することができる治療法です。

頭痛薬は薬の成分によって痛みをおさえるものですが、鍼灸は頭痛の発症そのものを防いだり、頭痛の原因ごと解消していきます。

また、ひとりひとり<頭痛のタイプ>や<頭痛の原因>が異なるのに対して、その人の状態を見ながらオーダーメイドのように治療をしていくところも、作用機序が画一的な薬と異なる点といえます。

頭痛イメージ

もちろん頭痛に関連する箇所だけではなく、全身の健康状態をみながら施術していきますが、たとえば頭痛の原因が肩こりの方・寝不足の方・月経の方では、治療のアプローチが全く違ってくることがイメージしていただけるかと思います。

加えて、当院では、総合病院での30,000人以上の臨床経験を強みとしており、他にはない「実績に基づく治療」を行うことができます


慢性化したりひどく痛む頭痛は、とても辛く、仕事や生活、人生の質をも変えてしまいます。

どのような頭痛と、どのような背景で悩まれているのか…まずは一度、ご相談いただければと思います。